最近オンラインイベントではなくオフラインイベントを重視する会社が増えてきています。果たしてその理由とはなんなのでしょうか?本記事ではオフライン回帰とも言える今の状況について説明します。
ウェビナーが市民権を得た背景
ここ数年「イベントマーケティング」という言葉を耳にすることが増えたのではないでしょうか?「イベントマーケティング」とはユーザー体験型のマーケティング手法でイベントを通して交流を図り様々な情報を伝えたりPRを行なうマーケティング活動です。
この「イベントマーケティング」を行なう主な目的としては、
- リード(見込み客)の獲得
- ナーチャリング(見込み顧客の育成)やアップセル(顧客単価を向上させる取り組み)
- 企業ブランディング(企業信頼性の獲得)
- 認知度の獲得
などを挙げることができ、
また、主なイベントマーケティングの方法としては、
- セミナー
- ウェビナー(オンラインで行なうセミナー)
- 展示会
- ミートアップ
などがあります。
さて、ここ近年で最も主流となっていたイベントマーケティングの手法は「ウェビナー」だということに誰も反論はないでしょう。なぜこんなにもウェビナーという手法が持て囃されていたかというと、2019年に日本を襲ったコロナ騒動が理由なのは「ウェビナー」の検索動向を見れば明らかです。
2011年ほどからわずかに検索されるようになっていましたが、コロナが発生した2019年から一気に検索ボリュームが増大しています。そして2020年6月にピークを迎えてコロナの収束に比例して徐々に減っています。
とはいえウェビナーの開催数自体が減っているかというとそうではなく、毎日インターネットのあちこちで沢山の会社がウェビナーを開催しておりウェビナーが実施されている数自体はむしろ増えていっているような気がします。まさにウェビナーというものは市民権を獲得しイベントマーケティングを行なうマーケターとしては外せない手法となりました。
<ウェビナーが市民権を獲得した要因>
・コロナによってオフラインイベントの開催が困難になった
・オンライン開催なので皆が気軽に参加するようになった
・それによるリード獲得の容易さ
・オンライン開催なので費用がかからない
等々
オフラインイベントへの回帰
そんな市民権を得たウェビナーなのですが、それを尻目に目ざとい企業たちはオフラインイベントへの回帰を始めています。理由は「ウェビナーが身近なものになりすぎた」ためです。
▼ オフラインイベントの参考例
ウェビナーが身近なものになりすぎたために、ユーザーは毎日どこの企業がやっているかもわからない沢山のウェビナー情報に触れ、更に極度の流し見もするようになったためユーザーはウェビナーを見ても強い印象を持たなくなってしまいました。
ウェビナーに参加したあとに「どんなウェビナーを見ましたか」と聞いて答えられる人は多いでしょうが、「どこの会社のウェビナーでしたか?」と質問を変えれば答えられない割合はかなり増えるはずです。
リストの獲得だけにウェビナーを行なっているのであればまだ良いですが、見込み客の育成や企業ブランディング、認知度の獲得を目的としている場合、ウェビナーはそれらの目的に合致しなくなってきたのです。
そんな状況を打開する方法として今まさに「オフラインイベントへの回帰」が重要視されています。ウェビナーに慣れきっている今だからこそオフラインの経験は新鮮に感じ、参加した際のイベントへの印象はコロナ前よりも強くなっています。
また、ひとつウェビナーの致命的な弱点を挙げるとすれば「参加者同士で交流ができない」という部分です。意外にもイベントの満足度に大きく影響を与えるのが”参加者同士の交流”部分なため、交流ができるオフラインイベントと比べるとウェビナーはどうしても薄味に感じてしまいます。
イベントを主催する企業の本音としては、「参加してもらったユーザーには自社のことを強く覚えていてほしい」と考えるものなので今後もオフラインイベントへの回帰は進んでいくことが予想されます。